「外壁に人気の塗り壁の素材ってどんな種類がある?施工方法とは?」

オリジナリティのある外壁に仕上がる「塗り壁」は、日本に息づく伝統的な外壁塗装の1つです。
そのため、和風のデザインのイメージが強いですが、洋風のアレンジも簡単で人気が高まっています。
そこで、今回は塗り壁の素材や施工方法についてご紹介します。

 

●塗り壁にはどんな素材があるの?●

人気の高まっている塗り壁には、どんな素材があるのでしょうか。塗り壁の大きな特徴は自然の素材を大切にしている点です。
以下で素材についてご紹介します。

①漆喰

塗り壁の代表的な素材と言えば、「漆喰」(しっくい)です。日本で古くから使用されてきた素材です。
漆喰の原料は天然素材の糊や消石灰、スサと呼ばれる麻素材を使います。
古代から使われているので近代的な塗料と比べるとご不安があるかもしれませんが、実はとても科学的な素材です。
塗り壁の施工中に、空気中の二酸化炭素に反応して乾いていくのですが、この際にとても硬くなります。
自然のパワーを合わせることで、安全性が高く硬度もある外壁が完成できるのです。
耐久性も高く、日本建築を支えてきた由緒ある素材です。

②珪藻土

近年再注目を集めている素材が珪藻土(けいそうど)です。珪藻土とは実はあるものの「死骸」です。
と、耳にするとびっくりするかもしれませんが、藻の化石なのです。素材としては二酸化ケイ素として扱われます。
日本国内にも産地があります。耐火性や断熱性に優れているので建材として重宝されており、
塗り壁の施工以外にもたくさん使われています。
外壁に使用する際は土壁を土台にして行われますが、内装で使用されることの多い素材です。

③川砂

塗り壁の基本的な素材には、川砂もあります。こちらも古くから重宝されてきた素材の1つです。
川砂の他にも砂の種類を使い分けて施工しています。
川砂は滑らかな仕上げができるとされ、上質な茶室の内装にも使われます。
④でご紹介するモルタルの基本は川砂も使用されており、大切な素材の1つです。

④モルタル

昭和期の日本の家屋は施工の際にモルタルが良く使われていました。
モルタルとは、セメント・水・川砂を混ぜて作るのが基本です。ひび割れに弱いという弱点がありますが、
左官がコテ使いで美しく仕上げた外壁は和風・洋風どちらにもマッチします。
外構デザインにもマッチしやすいので、近年再度見直されている素材です。エクステリアの施工に用いるご家庭もあります。
ジョリパッドなどの仕上げ素材を追加することで、風合いが増すと好評です。

⑤アクリル系

アクリル製をもとに作られた塗料は、ジョリパッドなどの製品として知られています。
アクリル系は紫外線に強く、美しい外壁を保つことが出来ます。
デザイン性や質感にも種類があるので、化学製品の特性を生かし、ユニークさもある仕上がりが可能です。
防カビ性も高く、雨にも強いのでモルタルと合わせて使用することでメリットが高まります。
安価な製品もあるので、塗り壁の範囲が広いと検討されやすい素材でもあります。
いかがでしょうか。塗り壁、と聞くとシンプルな素材のイメージが強いですが、様々な種類の素材があります。
塗り壁に使う素材は、日本古来の素材から化学的な素材まで、工事の場所や環境などに合わせて選ぶことが大切です。

 

●塗り壁の施工方法をご紹介●

そもそも塗り壁がどのように施工をされているか、ご存じでしょうか。
塗り壁はその名のとおり、塗りを行うことで完成させます。
サイディング工事などとは異なり、市販の定型的な壁とは異なる仕上げが可能です。
ユニークな紋様を入れるなど、個性豊かな仕上げも人気があります。塗り壁の施工にはたくさんの種類の工程があります。
新築やリフォームの際の参考にしてください。

塗り壁工事の工程とは

①下地を作る

基本的な塗り壁の工事は、下地を作るところからスタートします。

②コーキング作り

外壁と建物の間を埋める作業をします。コーキングで埋める作業です。

③下塗り

仕上げたい以外の部分は養生し、下塗りを開始します。本格的な塗りの施工開始です。

④中塗り

工事によっては中塗りという施工も行います。アクリル系のモルタルなどで丁寧に塗りを行う、仕上げ手前の工程です。

⑤仕上げ

最終の塗りの仕上げです。コテなどで模様を付けたり、タイルを埋め込みするなど、デザイン性を高める作業も行います。
エクステリアなども同色で仕上げるのもおすすめです。
このような5つの種類の工程で塗り壁工事が行われています。単純に塗るだけのイメージがある左官の作業ですが、
下地を作ったり、塗りが不要な部分を養生で保護したりと、細やかな作業があります。
こうした細かい作業がひび割れなどの劣化を防いでいます。
塗り壁はモダンな印象から和風建築、北欧風デザインまで幅広いイメージに対応しています。
コテ一つで美しく仕上げる匠の意匠は、温かみがあり外壁におすすめです。

 

●塗り壁のアイディアとは●

塗り壁は外壁にも内装にも使える良質なものですが、その他にも使えるアイディアがあります。
では、どんな種類の施工アイディアがあるのでしょうか。

塗り壁にはこんな種類の施工も

①エクステリアにも塗り壁を生かす

外構工事にも塗り壁を生かすことができます。
ブロック塀などの仕上げを個性豊かな塗り壁にすることで、家屋本体以外にもデザインを施すことができます。
シンプルなフェンスから塗り壁へリフォームすることもおすすめです。また、意外かもしれませんが外構工事の
コンクリートやフェンス工事の基礎的な部分も劣化を防ぐために塗り壁の施工を行うことがおすすめです。
メンテナンスは簡単にホースで汚れを落とす、タオルで拭くなど無理のない扱いで、
長期的に庭やエクステリア全体の美観を保つことができます。

②ナチュラルなウッドスタイルへリフォーム

近年キャンプブームなどを背景に、ご自宅にウッドデッキを増設する工事も人気があります。
子どもやペットものびのびと遊べるウッドデッキは憧れるものです。
でも元々の外壁とのバランスが良くないと、チグハグした印象になりがちです。
そこで、温かみのある暖色の塗り壁にリフォームすることでウッドスタイルとマッチした庭作りが可能です。
茶系の塗り壁は天然木との相性も良いので是非ご検討ください。

●塗り壁は古代から未来へつなぐ施工です●

日本の伝統技術として日々進化してきた左官の手仕事として、「塗り壁」には歴史があります。
安全性の高い自然素材から化学素材まで、種類も豊富です。お好みに合った素材がきっと見つかるので、
一度お気軽にご相談ください。塗り壁は古代からの残された確かな技術で、未来へつなぐ施工です。

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